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生まれ落ちた空で…

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管理人の徒然なるままに投下してます。 ※次回キリ番→2000※
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アッシュside~


無造作にばらまかれた同じ模様が書かれたカードを、一枚選び裏から表へと捲る。

「火か」

退屈そうに溜め息を吐くと、選ばれなかった全てのカードは灰と化していた。

代々受け継がれる召喚獣というものは召喚師貴族達にはさして珍しくもない。俺もその一人だ。ただし召喚される側だが…。
しかも元を正せば元の持ち主から盗まれ、正当継承者でもない、ただそこそこに実力がある召喚師に俺は呼び出された。

「ランバルディア家に継承され続けた“鮮血のアッシュ“我が声に答え速やかに私に従え!」

その髪の色から付けられた鮮血名は本物の血のように赤い。全ての存在が高みと目指して心身ともに磨かれた時至る「至竜」。俺が目指す場所。
と、言って目指すは良いものの故郷であるシルターンで過ごすのが退屈な余りに、魔力も全然見合わない奴の呼び掛けに暇つぶしと言い応えたのが、生きてこの数××年初の失敗だった。

楽園と呼ばれるこの界で久しぶりに見た奴がこんな奴だなんて現実逃避もしたくなる。
高らかに笑う髭。成功したのが余程嬉しいのか、一向に止めない。

成功などしていないが。お前の魔力なんざ俺の髪一本だって召喚できねぇよ。俺から来たんだ髭!誰がてめぇと間違っても契約するか屑がっ!!

「早まったな…」

実は界と界を渡るには相当の魔力と精神力を必要とし、俺でさえ片道切符で精一杯だ。帰る力が溜まるまでには数年時間が掛かる。

「さっきから、うるせぇんだよっ!髭!!」

ストレス発散には丁度良い存在だ。
笑い続ける召喚師を蹴り付けるとなかなかの蹴り心地に俺は笑みを浮かべた。


「エクスプロードォォ!!」

日に日にエスカレートしている髭へのストレスに髭でのストレス発散をしているのだが、何なんだコイツは?こういうのが真正Nというのか、それとも只打たれ強いのか、なんでこう嬉しそうなのか俺には全く理解できん。

あぁ、早く力溜まってくれないものか。
このままでは、髭の存在にストレスが溜まり髭を痛めつけてストレス発散が永遠と続くではないか。

「アッシュ、いい加減私の言うことを聞かんか!私の召喚獣だろう」

「俺に命令するんじゃねぇ!!」

眼つければ、部屋の隅でさめざめと泣く姿に、いっそ始末して観光にでも行こうかと思った。
そこでふと目の前にチラチラと光る赤より薄い朱色の光に気付いた。

魅入られるように手を伸ばすと、髭が視界から消え目の前には背を向け、うずくまる召喚師がいた。

「あぁ~どうしよぅ」

髭が変化した!と目を見開いたが(傍から見たら何も変わってない)即座に現状を理解した。
まわりを見てみたら着ている服は召喚師達の群の1つ蒼の派閥の物だ。
そして牢に入っている低級の召喚獣に、さしずめ卒業試験だろうと判断した。
そして目の前でうずくまっている卒業候補生が俺を呼び出した張本人とワケか…。

話掛けても返事をしないあたりコイツは現状が分かってないのだろう。声が若い辺り子供の域を脱してないのだろう、頭にフードを被って後ろ向きのせいで顔がわからんが。
どれ、顔を見てやろうじゃないか。髭みたいのだったら悪いが死んでもらうがな…。
そんな考えを巡らせながら、ちょっと弄れば、相手が行きよいよく噛みついてきた。

「……」

行きよいにフードが外れ現れた鮮やかや朱色の髪。首筋まで切られた髪はまるでひよこのようにピョコピョコと跳ねている。そして怒りを含んだ瞳は緑。
笑いが込み上げでくる。運命と呼ぶならば此こそ相応しい!ストレスですさんだ心が晴れ渡るような感覚。

「初めまして御主人様?此から頼むぞ」

差し出した手に握られた手は少し冷えていた。

下級の召喚獣など俺に刃向かうなど間違っている。入った経験値は全てルークに振り分けた。
俺はカンストなので必要がない。

教師にあたる召喚師によると、俺は二重契約による召喚事故で呼ばれてしまったらしい。
まぁ、事故だろうが何だろうが俺にはさして関係ないことだがな。
「元の契約者を見つけること」教師達はそうルークに告げるとルークは俯き承諾した。
聖王都の召喚師は管理が徹底されていて蒼の派閥では、卒業するまで街に拘束することからコイツも自由に成りたかった口だろう。二重契約をしでかし尚且つ俺みたいなのを呼び出したコイツはもう自由は無いだろうな。
こちらを伺ってきた教師達の目は俺の正体を知ってるのだろう。探し出せとか言ってるがどうせ監視付きに決まってる。

「うぜぇ」

誰にも聞こえぬように呟いた。


逃げられた。
水色の物体を踏みつけながら、逃げたルークに笑いが漏れた。
まったく送り届ける相手から逃げるとは、先程の話を聞いてなかったのかと思う。

「悪戯がすぎたか?」

抱き寄せた腰は、コイツちゃんと食べてるのか疑うくらい細かった。引きつった笑顔に顔を寄せたら、突撃してきた煩い生物に邪魔をされアイツの魔力を味わえなかった。絶対極上だと断言できようルークの魔力は。
現に、煩い生物だがコイツはチーグル、聖獣に位置する珍しいメイトルパの獣だ。しかもソーサラーリングの保持者。
それを無意識に呼べる芸等などそこらの召喚師には出来まい。
育てれば輝く宝石のように究極の存在も呼び出されるだろう。
それこそ俺と契約できるぐらいに。

「クックックックッ…」

是非とも魔力を味わってみたいものだ。
それに、俺の手でその魔力咲かせてやろうじゃないか!




〈設定〉

ランバルディア家
金の派閥の貴族の1つ。アッシュの召喚石を所持していたが、何者かに盗まれた。


正式名ヴァン。無名の召喚師だが実力はそこそこ。アッシュの召喚石を手に入れ名を上げたが、アッシュがいなくなり焦っている。



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